Mecka AI nears $500M valuation in Sequoia-led deal amid rush for robot training data
人型ロボットなどの学習に必要な人間による動作データを収集・分析するスタートアップ企業「Mecka AI」が、Sequoia Capitalが主導する新たな資金調達ラウンドにおいて、約5億ドルの評価額に近づいていることが明らかになりました。同社は今年6月にもFramework Ventures主導で6,000万ドルを調達したばかりであり、急速な成長を遂げています。
2024年に設立されたMecka AIは、Josh Gao氏ら4名の共同創業者によって立ち上げられました。ロボット工学の専門家ではない彼らは、汎用ロボット開発の最大のボトルネックが物理的な実世界データの不足にあると着目しました。同社は、人々が日常的なタスク(コーヒーを入れる、車を修理するなど)を行う様子を、ボディセンサーやスマートフォンを用いて記録する「エゴセントリック(自己中心視点)」な手法でデータを収集しており、LLM(大規模言語モデル)におけるScale AIのような役割をロボット業界で目指しています。
同社は2026年末までに年間収益率(ランレート)1億ドルを達成する見込みを立てており、ロボット企業やAI研究所から高い需要を集めています。現在、ロボット学習用データ市場では、XDOFが12億ドルの評価額で資金調達を模索しているほか、Scale AIなどの既存のデータプラットフォームもこの分野へ進出しており、競争が激化しています。
Y Combinator’s Garry Tan wants US open-weight AI labs to ‘distill’ frontier models, too
Y CombinatorのCEOであるギャリー・タン氏は、米国のAIスタートアップが、Anthropicなどの大手AI企業が開発する最先端モデルから「蒸留(distillation)」技術を用いて知識を抽出することを推奨すべきだと主張している。
「蒸留」とは、あるモデルの出力を利用して別のモデルを訓練する手法であり、Anthropicは中国のAIラボによる無許可の蒸留を「不正な攻撃」として規制を求めている。これに対しタン氏は、米国の小規模なオープンウェイトAIラボが同様の技術を合法的に活用し、中国製以外の強力な選択肢を国内で構築すべきだと反論した。
タン氏の主張の背景には、以下の2つの論理がある。 1. 権利の制限への懸念: 大手AI企業が著作物を含む広範な公開データを無断で学習に使用してきた経緯を指摘し、API利用者が得た情報まで制限することは過剰な支配であるとしている。 2. 市場の健全性: 少数の企業がAI技術を独占する「モノリシック(一枚岩)」な状況こそが最大の脅威であると強調。最先端モデルを開発する企業と、オープンウェイトモデルを提供する企業が共存・競争することで、技術の公共性を高め、特定の企業による独占を防ぐべきだと説いている。
タン氏は、最先端モデルのビジネスモデルを尊重しつつも、オープンウェイトモデルによる自由とアクセスの確保が、AIの将来にとって不可欠であるとの見解を示している。
OpenAI’s feud with mathematicians is only escalating
フィールズ賞受賞者25名を含む著名な数学者らが、AI開発企業が数学的難問の解決を急ぐあまり、知的財産や研究の誠実さを脅かしているとして公開書簡を発表した。
主な争点は、OpenAIなどのAI企業が研究成果の帰属や剽窃の問題を軽視している点にある。ニューヨーク大学のトリスタン・バックマスター教授は、OpenAIが競合他社であるAnthropicの研究者との共同研究を隠蔽するよう圧力をかけたと告発しており、同社のAIモデルが既存の数学的知見を無断で学習・利用しているのではないかという懸念が広がっている。また、OpenAIは批判を受けてカリフォルニア工科大学でのイベントのスポンサーを辞退するなど、数学界との対立が深まっている。
数学者らは、AIによる解決策が検証されないまま発表されることで、数学界の伝統である「適切な記述」や「先行研究の引用」といったプロセスが損なわれると危惧している。さらに、AIが膨大な資金を投じて研究者より先に証明を導き出す現状は、研究の秘密主義を助長し、学問のオープンな文化を破壊しかねないと指摘している。
この問題は数学界にとどまらず、AIが各専門分野のワークフローを変革する中で、人間が本来の知的探究の目的を見失うことへの警鐘でもある。数学者らは、AIの活用が人類にとって真の恩恵となるためには、その成果が人間社会で理解・伝達され、教育や新たな問いの創出といった知的基盤に統合される必要があると強調している。
One week left to book your exhibit table at TechCrunch Disrupt 2026
「TechCrunch Disrupt 2026」の展示テーブルの申し込み締め切りが、太平洋標準時の9月18日午後11時59分に迫っています。展示枠は数に限りがあり、締め切り前に完売する可能性があるため、早期の確保が推奨されています。
出展プログラムには、イベント全3日間にわたる展示ホール内の専用テーブル(6フィート×30インチ)の提供に加え、以下の特典が含まれます。
- Disruptアプリを通じたリード獲得ツール
- チームメンバー10名分の参加パス
- 公式サイト、アプリ、会場内でのブランディング
- プレスリストへのアクセスおよびイベントサイトへの企業プロフィール掲載
出展は、製品のデモンストレーション、顧客や投資家との直接的な交流、パートナーシップの構築を目指すスタートアップにとって重要な機会となります。枠が埋まり次第終了となるため、参加を希望する場合は早急な手続きが必要です。
Final, final, final call for TechCrunch Disrupt 2026 Side Events
「TechCrunch Disrupt 2026」の公式サイドイベントを主催するための応募締め切りが、太平洋標準時9月11日午後11時59分に迫っています。これが最終期限であり、延長は行われません。
サイドイベントを主催することで、創業者や投資家、顧客といった意思決定者との直接的な接点を作り、ビジネス機会の創出や関係構築、ブランドのプレゼンス向上を図ることが可能です。認定されたイベントはTechCrunchのプラットフォームを通じて告知されるほか、参加者向けにDisruptのチケット25%割引クーポンを提供する特典も得られます。
また、イベントを主催しない場合でも、Disruptへの参加を通じて最新の技術動向やネットワーキングの機会を得ることができます。なお、Disruptの通常価格でのチケット販売は9月25日に終了するため、参加を検討している場合は早めの購入が推奨されています。
Kimi-maker Moonshot AI targets $2B in annual revenue
中国の有力AI企業であるMoonshot AIは、今年末までに年間換算で20億ドルの収益達成を目指している。これは8月時点の収益ペースから倍増する野心的な目標であり、今夏リリースされた同社のAIモデル「K3」の成功が背景にある。K3はOpenRouter上で1日あたり最大3,000億トークンを生成するほどの利用実績を誇る。
ただし、この収益目標はOpenAIやAnthropicの規模(それぞれ400億ドル、650億ドルと報じられている)には及ばない。また、Moonshot AIはモデルの重みを公開するオープンウェイト戦略をとっているため、クローズドモデルを展開する競合他社と比較して利益率は低い傾向にある。
同社の開発手法を巡っては論争も生じている。Anthropicは、Moonshot AIが「モデル蒸留(distillation)」の手法を悪用し、Anthropicの「Claude Opus」から約2,300万件以上の回答を収集して自社モデルの学習に流用したと告発しており、その正当性が問われている。
An Anthropic researcher’s doomsday warning comes at a very interesting time
Anthropic社の研究者が、同社が「自己改善する超知能の構築へ直進しており、人々の命を危険にさらしている」と警告して辞任しました。この警告は、同社のアライメント責任者も同意を示す内容となっており、IPO(新規株式公開)を控えているとされる同社の状況下で大きな注目を集めています。
TechCrunchのポッドキャスト「Equity」では、このAIの安全性に関する警告を取り上げ、業界がより高性能なモデルの開発を競う現状について議論しています。また、同番組では以下のトピックについても触れています。
- AppleのハードウェアイベントにおけるAI戦略と、新しい折りたたみ式iPhoneよりも重要な「常時接続」機能の可能性。
- SpaceXのFalconロケットの運用縮小に伴い、市場が拡大する中で10億ドルを調達したStokes Spaceの動向。
- コーディング系スタートアップのCognitionに対し、VCが480億ドルの評価額で20億ドルを投じた背景と、AIコーディング市場への期待。
- AIデータセンターの電力需要に対応するため、浮体式原子力発電所に5,000万ドルのシード資金が投入された件。
Nscale adds former OpenAI exec Fidji Simo to its board ahead of potential IPO
英国を拠点とするAIデータセンター企業のNscaleは、今秋に予定されている新規株式公開(IPO)を見据え、元OpenAIの幹部であるフィジー・シモ氏を取締役会に迎え入れた。
シモ氏は、OpenAIでAGI展開担当CEO(事実上のナンバー2)を務めたほか、Instacartの会長兼CEOとして2023年のIPOを主導し、MetaではFacebookアプリ部門の責任者を歴任した経歴を持つ。Nscaleのジョシュ・ペインCEOは、シモ氏が数億人規模のユーザーを抱える製品のスケーリングや、それを支えるシステム基盤の重要性を深く理解している点を高く評価している。
NscaleはAIインフラ需要の急増を背景に急速に成長しており、IPOに向けて最大35億ドルの資金調達を目指していると報じられている。同社の取締役会には、シェリル・サンドバーグ氏やスーザン・デッカー氏、ニック・クレッグ氏といった著名なテック業界のリーダーが名を連ねており、今回のシモ氏の起用は上場に向けた体制強化の一環となる。
Roblox is making it easier to build games with AI — and play them outside Roblox
Robloxは年次開発者会議「RDC」において、AIを活用したゲーム制作ツールの拡充と、プラットフォーム外への展開強化を発表しました。
主な発表内容は以下の通りです。
AIによる開発支援と機能強化 自然言語プロンプトでゲームを生成できるツール「Build」の提供地域を拡大(セルビア、シンガポール)し、デスクトップ対応やシーン生成機能の追加を行います。また、NPCがゲームのプレイテストを行える機能や、2Dゲーム制作機能(直交カメラやスプライトシート対応)を導入します。
プラットフォーム外への展開 Robloxのゲームエンジンを活用し、開発者が自身のゲームをモバイル、PC、コンソール向けの独立したアプリとして提供可能にします。年内にはブラウザから直接ゲームに参加できる機能も実装される予定です。
クリエイター向け経済圏の構築 2013年以降、クリエイターはプラットフォーム上で50億ドル以上を稼いでおり、直近1年間で17億ドルに達しました。これを受け、Airwallexと提携した「Roblox Wallet」を導入し、米国の18歳以上のクリエイターがリアルマネーで報酬を受け取り、銀行口座へ送金できる仕組みを提供します。また、来年には収益を実店舗等で利用可能な「Roblox Card」も発行予定です。
ユーザー体験の向上 オフラインモードの実装、音声入力に対応したフレンドチャット機能の追加、年齢層に応じたゲーム推奨アルゴリズムの改善を行います。さらに、ショート動画フィード「Moments」内で、アバターをクリックしてアイテムを購入できる機能も導入されます。
これらの施策により、Robloxは自社プラットフォーム内でのエンゲージメント向上に加え、開発者が制作したコンテンツのリーチを外部へ広げ、より制作しやすい環境の整備を目指しています。
Matt Mullenweg tells (trolls?) Automattic staff, saying he’s back in control after CEO ouster
WordPress.comの運営元であるAutomattic社の創業者マット・マレンウェッグ氏が、同社のCEO職に復帰したと社内Slackで宣言した。同社取締役会は数日前に、理由は明かさないままマレンウェッグ氏をCEOから解任し、CFOのマーク・デイヴィス氏を暫定CEOに任命していた。
マレンウェッグ氏はSlackへの投稿で「取締役会と合意に至り、私がAutomatticの管理権を取り戻した」と述べた。また、WordPress.orgの事務局長であるメアリー・ハバード氏も、同氏の復帰を歓迎するコメントをX(旧Twitter)に投稿している。一方で、取締役会からの公式な確認は取れておらず、デイヴィス氏のSlackアカウントが停止されるなどの不可解な動きも見られる。
マレンウェッグ氏は、今回の解任劇の背後には、現在訴訟中であるWP Engineの親会社、投資ファンドのシルバーレイクが関与していると示唆していた。今回の復帰宣言が事実に基づいたものか、あるいは同氏が自称する「海賊」としての挑発的な行動なのか、その真意については依然として不透明な状況が続いている。
脱VMwareの前提が崩れる BroadcomのVDDK公開停止で確認すべき点
Broadcomは2026年8月、VMwareの仮想マシンを扱うためのSDK「VMware Virtual Disk Development Kit(VDDK)」の一般公開を停止した。VDDKはこれまで、MicrosoftやRed Hat、Nutanixなどが提供する「VMware環境から他基盤への移行ツール」の基盤技術として広く利用されてきた。今回の措置は、VDDKが本来バックアップ・リカバリー用途を目的としたライセンス製品であることを再徹底するためのものとされている。
この変更により、移行ツールが今後もVDDKを正規に利用できるか不透明な状況となっており、VMwareからの移行を検討する企業には以下の対策が求められる。
- 移行ツールの依存関係確認: 採用予定のツールがVDDKに依存しているか、ベンダーが正規にVDDKを取得・利用できるライセンス契約を結んでいるかを確認する。
- 代替手段の確保: VDDKが利用できない場合に備え、外部ストレージを用いた移行手法など、別の手段が用意されているかを確認する。
- 事前検証(PoC)の実施: 実際の環境で移行テストを行い、停止時間やデータ転送量、正常起動の可否を事前に把握する。
- 契約更新からの逆算: VMwareの契約更新時期を考慮し、余裕を持って移行先の選定や検証を進める。
「移行ツールがあるから安心」と過信せず、ツールが前提とする技術やライセンスの制約を把握し、リスクを考慮した計画を立てることが重要である。
Windows用「Gemini」アプリ提供開始 画面上に重ねて作業を中断せず利用可能に(ITmedia NEWS) - Yahoo!ニュース
米Googleは、Windows 10および11向けのデスクトップアプリ「Gemini app for Windows」の提供を開始しました。公式サイトからダウンロード可能で、日本語にも対応しています。
最大の特徴は、作業中の画面上にGeminiを重ねて呼び出せる点です。[Alt]+[Space]キーで即座に起動できるため、作業を中断することなく、資料のファクトチェックやアイデア出しなどを効率的に行えます。
アプリ内では、従来のGeminiの全機能が利用可能です。サブスクリプション契約が必要な「Gemini Spark」や「Gemini Omni」を活用することで、複数ステップのタスク処理、GmailやGoogleドライブとの連携による情報抽出、画像や動画の生成などがデスクトップ上で完結します。
本アプリは軽量設計でバックグラウンドでの動作も軽快であり、Googleは今後もデスクトップならではの機能を順次追加していく方針です。なお、Windows向けの専用Geminiアプリが登場したのは今回が初となります。
決算:オラクル、クラウド好調の裏に財務リスク OpenAI依存に警戒 - 日本経済新聞
米オラクルが発表した2026年6〜8月期決算は、クラウド事業の好調を背景に純利益が過去最高を更新しました。AIブームによる計算能力への需要増大を受け、同社は能力拡充に向けたあらゆる手段を講じています。一方で、事業拡大に伴う巨額投資が財務リスクとして浮上しており、特にOpenAIへの依存度が高いことに対して市場からの警戒感が高まっています。
Apple Watch Ultra 4、GLONASSのサポートを廃止 - こぼねみ
Appleは「Apple Watch Ultra 4」において、ロシアの衛星測位システムであるGLONASSのサポートを廃止しました。前世代のUltra 3まではGPS、Galileo、QZSS、BeiDouに加えてGLONASSにも対応していましたが、Ultra 4ではこれら4つのシステムのみの対応となります。
GLONASSを廃止した公式な理由は明かされていませんが、専門的な背景として以下の点が挙げられます。Ultra 4のようなデュアル周波数対応デバイスにおいて、一般向けデバイスでL1信号のみの受信に限られるGLONASSの有用性は相対的に低く、また、GLONASS特有の信号アーキテクチャによる測位誤差のリスクも存在します。今回の変更により、測位精度の向上、処理負荷の軽減、およびバッテリー駆動時間の延長が期待されます。なお、単一周波数対応の「Apple Watch Series 12」については、引き続きGLONASSのサポートが維持されています。
React の <ViewTransition> コンポーネントで宣言的にページ遷移アニメーションを追加する
Reactの実験的機能として導入された<ViewTransition>コンポーネントは、ブラウザ標準の「View Transition API」をReactで宣言的に利用可能にするものです。このコンポーネントを使用することで、SPAにおけるページ遷移時や状態変化時のアニメーション実装が容易になります。
主な特徴と利用方法は以下の通りです。
- 導入方法:
react@experimentalパッケージが必要であり、Next.js(15.2.0-canary.6以降)等の環境ではunstable_ViewTransitionとしてインポートして使用します。 - 仕組み: ラップした子コンポーネントにランダムな
view-transition-nameを付与することでアニメーションを適用します。状態変化を伴う遷移にはstartTransition関数でのラップが必要です。 - カスタマイズ:
nameプロパティを指定して固定のview-transition-nameを設定することで、CSSの疑似要素(::view-transition-oldおよび::view-transition-new)を用いて独自のアニメーションを定義可能です。 - Suspenseとの連携:
<Suspense>と組み合わせることで、非同期データの読み込み中(fallback)からコンテンツ表示への切り替え時にもアニメーションを適用できます。
なお、本機能は2025年1月時点で実験的なAPIであり、将来的に仕様が変更される可能性がある点に注意が必要です。
NTTドコモ、iPhone18 Pro/Pro Max価格発表!MNPで最大22,000円割引 - iPhone Mania
NTTドコモは、「iPhone 18 Pro」および「iPhone 18 Pro Max」の販売価格を発表しました。ドコモオンラインショップにおけるiPhone 18 Proの通常価格は263,230円から、iPhone 18 Pro Maxは291,500円からとなっており、MNP(他社からの乗り換え)利用時には最大22,000円の割引が適用されます。
また、残価設定型の「いつでもカエドキプログラム」を利用し、23カ月目に端末を返却するなどの条件を満たすことで、実質的な負担額を抑えることが可能です。なお、本プログラムはドコモ回線契約の有無を問わず利用できます。両機種の予約受付は9月12日(土)午後9時より開始され、9月18日(金)に発売される予定です。
四色定理に約30年ぶりの新証明、地図を4色で塗り分けるアルゴリズムが大幅に高速化
「四色定理」について、日本やデンマークの研究者チームが約30年ぶりとなる新たな数学的証明を発表しました。この定理は、いかなる地図も隣り合う地域が同じ色にならないように4色だけで塗り分けられるというものですが、今回の研究では従来とは異なるアプローチが取られました。
従来の証明手法は、グラフから処理可能な「可約配置」を一つずつ探し出して順次取り除くという手順を踏んでおり、頂点数nに対して計算量がO(n²)を要していました。これに対し、国立情報学研究所の河原林健一氏らによる研究チームは、これまで注目されてこなかった「平らな領域」に着目し、8202種類もの大規模な配置の集合を特定しました。
この手法の最大の特徴は、互いに干渉しない複数の配置を一度に処理できる点にあります。これにより、グラフの頂点を一度の計算で一定割合ずつ削減することが可能となり、彩色アルゴリズムの計算量を従来のO(n²)からO(n log n)という「ほぼ線形時間」まで大幅に高速化しました。
今回の成果は四色定理の正しさを再確認するものであり、コンピューターによる検証を前提としていますが、ここで開発された「平らな領域」を活用する手法は、曲面上のグラフ彩色問題など、他のグラフ理論の難問にも応用できる可能性があります。研究チームは、この新たな知見が今後の数学的探求において重要な道具となることを期待しています。
業務の30%をAIエージェントがこなすIT運用部門、なぜ「パワポ文書」を禁止したのか?
NTTドコモソリューションズのプラットフォームサービス部は、IT運用業務の約30%をAIエージェントに任せており、将来的に70%への引き上げを目指している。同部門はAI活用を推進する過程で、日報や週報における「パワポ文書(図解や箇条書き中心で文脈が補完されていない文書)」の使用を禁止し、テキストのみで記述するルールを導入した。
この施策の背景には、AIが社内データを正しく理解・学習するためには、論理的で構造化されたテキストデータが不可欠であるという判断がある。従来のような、口頭説明や図版に依存した曖昧な文書では、AIが文脈を読み取れず回答精度が低下する課題があった。テキスト化を徹底することで、社員の文章作成能力が向上し、論理的な意思決定を促す環境が整った。
さらに、同部門はAIの進化(オントロジー技術による表記揺れの吸収など)と、人間側の「正しく書く能力」の向上が組み合わさることで、AI活用の土台が完成したとしている。部長の駒沢健氏は、AI導入において最も重要なのは「ビジネスシナリオの明確化」であると指摘する。目的と成果(アウトカム)を先に定義し、それを達成するためにAIをどう実装するかという「成果中心主義」の考え方こそが、コストに見合うAI活用の鍵であると強調している。
GMOの世界ロボット運動会出場、言い出しっぺは新卒1年目の社員? プロジェクト統括までしていた
GMO AI&ロボティクス商事は、8月に中国・北京で開催された「第2回 世界ヒューマノイド運動会」への出場結果を報告した。プロジェクトを統括し、出場を提案したのは、今年入社した新卒1年目の廣本一真氏である。
同社は、中国Unitree Robotics製の市販ヒューマノイド「G1」をベースに、独自開発した「ひとみん」で陸上競技(100m、400m、1500m)に挑戦した。参画の目的は、ヒト型ロボットの社会実装に不可欠な「走る技術」の確立、市販ロボットの性能限界の追求、および自律走行技術の開発にある。
開発にあたっては、GMOインターネットグループ陸上部の選手の動きを参考に走行フォームを改善し、最高速度を秒速1.5mから約5.5mまで引き上げた。また、高速走行時のモーター過熱を防ぐ制御技術を開発したほか、約5000枚の画像データをAIに学習させることで、レーンを認識して走行する自律走行技術を確立した。同チームは、約20日間にわたる走行試験を経て大会に臨んだ。
学習到達度調査発表、アジア勢のリード続く AI時代に必要な能力の低下に警鐘も
経済協力開発機構(OECD)が発表した2025年の「学習到達度調査(PISA)」によると、シンガポール、中国(北京・上海・江蘇省・浙江省)、日本、韓国などのアジア勢が引き続き上位を占め、欧米諸国をリードする結果となった。一方で、世界全体で生徒の読解力、科学、数学の成績が低下傾向にあり、OECD加盟国における基礎水準未達の割合は20%にまで上昇した。
報告書は、AI時代において極めて重要となる「情報を評価し、批判的に考える能力」の低下に強い警鐘を鳴らしている。情報過多な環境下で、生徒たちが重要な情報を取捨選択する能力を失いつつある現状が浮き彫りとなった。また、授業中にデジタル機器に気を取られる生徒の割合が世界平均で28%に達するなど、学習環境への悪影響も指摘されている。
米中の技術競争が激化する中、米国では読解力のスコアが25年ぶりの低水準に落ち込むなど教育の質に対する懸念が強まっている。OECDは、生徒の基礎学力の向上は長期的な経済成長に直結する重要な課題であると強調しており、教育の質的改善が求められている。